2025/11/15 11:34

- Curva y Ruri JEWELRY と〈ラピスラズリ〉の出会い -
Curva y Ruri JEWELRY は、
スペイン語で「Curva(曲線)」と「Ruri(瑠璃)」のジュエリーを意味します。
「Ruri」は〈ラピスラズリ〉の和名「瑠璃」に由来し、
ブランドを象徴するイメージストーンでもあります。


Curva y Ruri JEWELRY は、
2019年に線加工によるアクセサリーブランド〈Curva〉からリブランドして誕生しました。
新しいブランド名を考えていたある日、
私は9月生まれなのですが、「9月の誕生石にラピスラズリがある」という一説を目にしました。
そこからなんとなくこの石が気になって、調べはじめたことが、すべてのきっかけでした。

〈ラピスラズリの石言葉〉
持ち主が本当の意味で成長できるよう、
目先の結果だけでなく、越えるべきことに気付かせ、
正しい方向へ導いてくれる。

調べていくうちに、その深い青が秘める世界と意味に、静かに心を惹かれていきました。
ラピスラズリが古代より青色顔料として用いられてきた鉱物であることは、
多くの方がご存じかもしれませんが、さらに深く辿っていくうちに、
似た響きをもつスペイン語の lapiz(ラピス)=「鉛筆」 という言葉に出会いました。

イラストを描く私自身の表現とも、ブランドの世界観とも、どこかで重なり合うように感じ、
ラピスラズリが「描く」という意味を自然に感じさせてくれた瞬間でした。

実はリブランド以前、私はラピスラズリに特別な関心を持っていたわけではなく、
どこか固定的な表情しか想像していませんでした。
そんな折、大城かん奈さんが手掛ける、普遍的で凛とした宝石研磨に出会います。
そうして、新しいブランドの象徴となる、ラピスラズリの一点物を大城さんにカットしていただきたい―
そう思い、お声掛けさせていただいたのが始まりでした。

今ではラピスラズリに限らず、
Curva y Ruri JEWELRY のオリジナルカットを大城さんにお願いしています。
イメージを一緒に重ねながら、ひとつひとつの作品を丁寧につくり上げていく。
石と対話するように、「まだ見ぬ景色」を思い描きながら―
そんな時間を共有することが、Curva y Ruri JEWELRY のものづくりの原点になっています。


不透明石ならではの難しさと魅力 -


ラピスラズリのもう一つの魅力は、不透明な石ならではの“カットの難しさ”にあります。
原石の段階で目視できる傷はまず切り分けますが、
微細な傷を見極めるには、研磨前に石の一部を軽く磨き、
青い研磨剤をしみ込ませて浮かび上がらせる作業を行います。
そんな慎重な工程を経ても、仕上げの段階で新たな傷が見つかることがあり、
その瞬間は大城さんも思わず落ち込むほどだと言います。


また、ラピスラズリに含まれる白いカルサイトや金色のパイライトは、
不透明であるがゆえに、研磨を進めるうちに
残したかった模様が突然消えてしまうこともあります。
こうした“進め時”や“止め時”の感覚、そして偶然性も、
職人の感性を纏わせたこの石の魅力のひとつです。
まるで石に導かれるかのような、一筋縄ではいかない難しさの中で
ひとつひとつ描かれる丁寧なものづくりと感性を纏ったルースたちとの出会いは、
特別なご縁のように感じられ、ラピスラズリの不思議な力を改めて実感する瞬間でもあります。

手擦りによって丁寧に引き出される、ラピスラズリの多彩な青。
その奥行きと表情は、ひとつとして同じものがありません。

Curva y Ruri JEWELRY の作品とともに、この石がもつ深い魅力にそっと触れながら、
ぜひお手に取ってご覧いただけましたら、嬉しく思います。