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2023/09/09 19:51

企画展  ´ 描く ´ を奏でる / 職人の手仕事

9/15(金).16(土).17(日).19(火).23(土) 



嬉しいことに、Curva y Ruri JEWELRYの
アイコン的存在になりつつあるmatiz(マティス)は、
宝石研磨職人と共に納得のいく2石のバランスを求め、
じっくりと展開してきたコレクションになります。


これまでお手に取っていただいたお客さまには
お話しさせていただいているのですが
このデザインに於ける研磨は、
石のサイズに縛りがあることや、研磨のイメージや加工の向き不向き
使用できる原石がそう、たくさんあるわけではないのが実情です。


それ故、もしもヒーリングが合う色彩に出会えた時は、
ぜひ、実物を手に取っていただきたいコレクションです。
ロング丈のチェーンにぶら下がる、ごろっとしたトップのフォルム、
着けた時のバランスの心地良さも含めて、
着ける程に、その魅力は深まり、
愛着を持っていただけるのではないでしょうか。






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Curva y Ruri JEWELRYのオリジナルカットのルースの殆どは
宝石研磨職人の大城かん奈さんにお願いしています。
matizもその一つなのですが、
実は、以前から' ダントツで大変な研磨! 'と伺っておりました...
そんなmatizについて今回企画展を開催するに当たり、
改めてお話しを伺わせていただきました。


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【奥村】
さまざまなブランドさんのお仕事を手掛けている大城さんですが、
中でもダントツで大変と仰るmatizのルース研磨について、
大変なポイントや石選びに心掛けていることなどお伺いします。


【大城さん】
■大変なポイント〈石探しについて〉-
matizに使う石は,
「15mmの八角形」「透明or半透明石」「裏をフラットにすることが出来る石」
が条件となります。
ルースサイズとしては結構大きめということもあり、
まずここで使える石がかなり絞られます。

さらに、
「内包物や色合いに個性の光る石・ニュアンスのある石であること」
「研磨や石留めに耐えうる品質であること」
「ブランドのイメージに合っていること」
などが必要要素として加わります。

私が石探しから依頼をいただく研磨のスタートは、
(*奥村が仕入れた石を使う場合もあります。)
先ずこれらをすべて満たす石を探す為、
原石のしまってある箱をすべてひっくり返し、石材を隈なく探します。
無傷の綺麗な石を探し出す時とはまた違った、
経験とセンスが問われる作業かもしれません。
いろいろな視点で石を見なければいけない為、
普段の石出し作業と比べ、より多くの時間を要します。


■大変なポイント〈研磨について〉
matizのデザインの構造を考慮し、
カケの危険性を含むクラックを避けつつ、
石の表情を生かすことが出来るかどうか、注意深く石選びをしています。

又、原石肌をそのまま生かした石は、
あまり凹凸が激しいと石座に座らない為、
出来るだけ平らな部分を探して切り出します。
かといって平ら過ぎても表情が物足りなく、
原石肌が汚いと仕上がりが美しくない...など
厳選していくと、実は使える部分はとても少ないです。。
そんな時は、理想の表情を求めて、
贅沢ですが、かなり大きめの原石を潰して切り出すこともあります!


■石選びに心掛けていること
matizのコンセプトである
「二石が光を受け重なり合うことで新たな色彩を放つ」を常に意識し、
仕上がった時の色合いや、透明感、内包物のバランス、
レースとの相性を考えながら選ぶようにしています。
どの石を使うか最終的にはデザイナーの奥村さんにご決定いただきますが、
奥村さんと感覚が似ているせいか、
ご提案した物をそのまま気に入っていただける事が多い気がします!


-


改めてお話しを伺い、
じっくりと時間を掛けて選別いただき、
たくさんの基準をクリアして仕上がるルースたちだからこそ、
全てが一層に愛おしく思えてなりません。

又、それでも、制作過程において
着手していただいた全ての原石が形になるわけでもないのが実情です。
職人さんとつくり上げる作品づくりは、当たり前のようですが、
前提としてお互いの感覚が合っていることが第一に大事なこと。
ですが、これがなかなか簡単なことではないのも実情、
職人さんも三者三様ですから、
技術だけではなく、どこまで拘るか、どこを大事なポイントとするかはそれぞれです。

最後に大城さんに感覚が似ていると仰っていただいて、
今回、お話し伺って素敵な言葉を聞けたことに...感激です!(涙)



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- 今回初めて採用したレッドアゲートの研磨のお話し -

大城さんのセンスと研磨にかかると、石たちが新たな魅力に輝いている!
今まで私が見向きもしなかった石たちの知らなかった魅力に気付かせてくれるのが
大城さんのファンとなった私の気持ちの一つです。





大城かん奈さんの個展に伺った際に拝見したレッドアゲートのルース。
それは、今までイメージしてきた
不透明で単調な所謂アゲートの色調とは異なり、
石底にある内包物のニュアンスが相俟った
夕焼けのように広がる朱赤が美しい、瑞々しさを纏ったルースでした。
このイメージでmatizをお願いしたい、瞬時にそう思い、
早速、大城さんに連絡をしてストックを見ていただいたのですが
同様のイメージの原石は、残念ながら見つからず...
やはり、石は一期一会、





ならば、主張の強いアゲートの色調を
よりクリアに柔らかく、麗しく、表情が単調にならないように出来ないか...と
写真左のレッドアゲートの原石を目の前にイメージしたのが
敢えて結晶部分を擦りすぎず、自然のままの繊細な結晶の粒粒を残した
今回のmatizの研磨の経緯です。


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【奥村】
今回レッドアゲートはmatizとしては、
結晶を残した新しいイメージとなるカットでした。
研磨を手掛けていただくに当たってや、
このルースの推しのポイントなどお伺いします。





【大城さん】
結晶粒を含んだ状態のよい原石を運よく見つけることが出来、
結晶質部分をチップさせることなく全体にうまく馴染ませることが出来たことで
レッドアゲート=深い赤というイメージとは
大きく印象の異なるものが仕上がったと思っています。

位置取りのお打ち合わせをさせていただいた後は、
カットはすべてお任せいただいたことで
自分の感覚に集中し、手磨りの最大の良さである
「手の中で石全体の様子を見ながら少しずつ、優しく研磨する」ことが
今まで以上に生かせる研磨だったと実感しています。


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こうして仕上がったレッドアゲートは
繊細な結晶の粒粒の質感が相俟って、美しいグラデーションを織り成し
実に表情豊かなルースとなりました。





今回、9ピース(4.5セット)ものルースを形にしてくださいました。
matizは、ここから更に2石を合わせることで
新たな表情が生まれるのが面白いところです。
オンラインでのオーダーはお伝えしきれない部分がある為、
基本的には店頭でのご紹介となりますが
今回展示するルースたちをご覧いただき、
大城さんのお話しや、制作の背景もイメージして
展示をお楽しみいただければと思っています!





又、ルースが仕上がった後は
石のイメージに合わせてアンティークレースを選定、
2石が重なる向きを決め、ジュエリークラフトマンに制作を引き継ぎます。
Curva y Ruri JEWELRYのつくりは全て
甲府のジュエリー工房Rayのお二方の職人さんが手掛けてくださっています。





制作毎に、鋳造したアンティークレースの地金からつくる、
matizの地金の構造も又、ジュエリー職人と試行錯誤して
バチカンのないフォルムに拘ったつくりです。

丹念に制作した2石から成る石枠の間にチェーンと光が抜ける空間を持たせ
間接的に重なる2石の色彩やニュアンスによって新たな色彩が生まれる、
色遊びの楽しみを込めたデザインmatiz。
ジュエリーは、実に小さな世界ですが
宝石研磨職人、デザイナー、ジュエリー職人、それぞれの巧妙な技術やセンスによって
手仕事による ´ 描く ´ を奏でているかのよう。



お客さまの元へお届けする、Curva y Ruri JEWELRYの作品たちが
そんな制作背景も含めて、
一層、愛着を深めていただけますよう、願っています!



ー 企画展でのmatizオーダーについて ー
石枠になるお好みのアンティークレースの他、
2石を合わせる石の向き(インクル―ジョンの向き)をカスタムいただけます。
2石の石の種類は、予め2石が合わさる色彩をイメージして研磨をしています為、
変更可能な石の種類の範囲は、店頭にてお話しさせていただきます。