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2022/04/13 11:14

産業の発展と共に時代や地域によって様々な模様、種類が生まれたレース。
16世紀の王侯貴族の富と権勢の象徴の時代から発展した産業の歴史を紐解いてみると
それぞれの時代を生きた人々のストーリーと共にその歴史は育まれました。

当コラムではその一部を抜粋し、綴っています。
数多くあるレースの種類を大きく二つに分類した、
ニードルポイントレースとボビンレースの中で
Curva y Ruri JEWELRY(クルバ イ ルリ」ジュエリー)が主に製作に用いている、
ボビンレースに纏わるお話しです。

又、 ’ アンティーク=100年以上経ったもの ’ と通説した概念がありますが
これは、1934年にアメリカが
「 100年を経過した手工芸品・工芸品・美術品に輸入関税を課さない 」
と通商関税法を定めた為に根付いた概念であり、
元々アンティークが生活に密着している本場のヨーロッパでは定義がありませんでした。
 
では、アンティークレースとは。
皆さまも、是非その歴史に触れ、
Curva y Ruri JEWELRYとアンティークレースへの魅力を
一緒に深めていただければ幸いです。








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16世紀のヨーロッパのヴェネツィア共和国とフランドル地方でレースは発祥しました。
アンティークレースは王侯貴族の富と権勢の象徴であり、
富裕な市民の間に流行したとても高価なものでした。

17世紀になるとボビンレースは全盛期を迎え、その繁栄と共に、レース商人は裕福になり
一方、レース編みは非常に低賃金で行われ、貧しい人々の労働であったそうです。

贅沢品だった手工芸のレース産業は、発展と共に18世紀の産業革命を機に機械化され、
19世紀には多くの人々に馴染みあるものになりました。



1808年、イギリスのジョン・ヒースコートが
6角形のチュールを作成するボビンネット機を開発しました。
1813年、そのボビンネット機はジョン・リバーによって改良され、
リバーレース機が生まれました。
リバーレース機で編まれたその繊細なレースは
ハンドメイドのボビンレースを凌ぐとも言われる程で
又、多くの種類のハンドメイドのボビンレースのコピーを生産し、
マシンレースの技術は発展していきました。

イギリス政府はレース産業を独占する為、リバーレース機の輸出を禁止しました。
産業革命により機械化が進む一方、失業の恐れを感じた手工業者が
1816年、ラッダイト運動(機械破壊運動)を起こしました。
ドーバー海峡を越え、イギリスからフランスに技術者が渡り、
密輸された織機と綿糸により、フランスのレース産業は栄えていきました。
現在も北フランスのカレーとコードリーでは、町の伝統的な産業としてレースが息づいています。

こうして殆どのハンドメイドのレースは、
1870年までに機械で編むことができるようになりましたが
1930年、時代と共にアンティーク機である低速編みのリバーレース産業は衰退、
1987年リバーレース機自体の生産が終了した今、
世界で稼働するリバーレース機は推定700台といわれます。
現在も稼働するリバーレース機は、20,000もの糸の調整や糸の交換、ボビンの取り付けなど、
メンテナンスをされながら、すべて人の手で行われています。





この歴史の背景のもと、製造されたレースは
 ’ アンティークレース ’  と販売店でも総称されていることがあります。
ヨーロッパのアンティークの定義は
100年前のもの、それに満たないものはヴィンテージ、とラインを引く見方ではなく
今では製造が出来ない、その時代の背景を纏った品々をアンティークとして、
デザインの歴史を継承しているということを大切にしているように感じます。

アンティークレースに限らず、
1920~30年頃に作られた大量生産ではない、
けれど機械化が進んだことでより発展した産業もまた、同様かもしれません。

時や国を超えてここへ辿り着くまでのアンティークレースのストーリーを知ると、
とても壮大な歴史があり、アンティークレースへの新たな興味が深まっていきます。





Curva y Ruri JEWELRYは、アンティークレースの軌跡や
ジュエリーとしてこの素材を用いる面白さに魅力を感じ
アンティークレースの模様を金属に模した技法でジュエリーを製作しています。

かつて、「 糸の宝石 」 と呼ばれていたアンティークレース。
その背景に想像を膨らませながら、ジュエリーを身に着ける日はタイムトリップしたよう!
そんなジュエリーの楽しみ方も、Curva y Ruri JEWELRYの魅力に感じていただけますように。